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建築現場レポート

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内部施工

横浜市S様邸 内部施工2

ベスト・プランニングの衛藤です。

 

三寒四温、断熱性の低い家では体調がおかしくなってしまいそうな季節になってきました。

暖かくなりつつあるにも関わらず、多くのお問い合わせを頂き、大変ありがとうございます。

電気代が高くなったことに加え、断熱等級5以上が新設されたことで、住宅購入をご検討の方の性能への感度が高まっているのかもしれません。

プレカット費用が減りつつはありますが、依然として土地を含めた注文住宅の価格はここ数年の中で最も高いと言えますので、高性能な分譲住宅もご好評いただいております。

令和4年度は3棟発売し、いずれも発売直後に完売となったことを受け、大和市、秦野市を中心に令和5年度も継続して分譲して参りますので、ご興味がある方は早めにお問い合わせください。

 

今回は横浜市S様邸の最終回、内部施工の2回目をお届けいたします。

大工工事は吹付断熱が終わった後は内部造作の続きを行います。

今回は大工さん造作と壁紙屋さんの仕事についてレポートしてきます。

 

 

2021/2/9 撮影

断熱施工後は大工さんは床を貼る作業に取り掛かります。

大部分のフローリングに無垢材を使用頂きました。

チークとアカシアの床材を家の半分位ずつ使用頂いたと思います。

無垢材はその樹木の種類によって、質感と固さ(耐久性)、色合いが大きく異なります。

長く使用していくと、人の油や環境にによっても色彩や艶感が変わってくるなど、まさに生きた建材です。

 

写真の様に外壁側には吹付断熱が壁いっぱいに吹き付けられている様子が分かります。

断熱材の種類とそのメーカーの選定は大切です。

弊社では気密性を確保するために現場吹き付け発泡ウレタンを使用しています。

また、躯体内の透湿性を保つためにも、僅かに透湿性を持つ材料を使用しています。

気密性はこの発泡ウレタン以外にも弊社のこれまでのノウハウを各所細部に適用していますので、容易に0.3㎠/㎡程度の気密性を確保することができます。

 

 

こちらは2階の母屋下がり部の断熱施工の様子です。

壁及び屋根の一面に断熱材が施工されている様子が分かりますね。

構造部分は筋交いなどが一部吹き付けられていない部分が見えてきています。

個の筋交いも裏側はぎっしり吹き付けられており、両筋交いの場合は片方は完全に埋もれてしまいます。

 

床に置いてあるのは2階の床材の材料です。

床材は板厚部分の横に「さね」という凹凸の加工がされていて、この凹凸を差し入れてステープルという釘で床合板と締結していきます。

 

 

こちらは1階の造作の様子です。

天井の造作が進んでいますがフローリングの施工はこれからです。

1階の壁部分には可変透湿シートが施工されています。

これは1階の透湿性コントロールのために施工しています。

弊社の標準仕様ではモイスを使用していますが、現在のモイスの透湿性が少し良すぎるため、このシートで透湿性を下げているのです。

一方で夏場は躯体内に入り込んだ湿気が抜けなくなってしまってはいけませんので、透湿性を上げることができます。

こうした壁の仕様は透湿計算を丁寧に行ったうえで、使用する建材ごとに最適なものをチョイスしています。

 

 

一部外部施工についても撮影したのでお見せしておきましょう。

写真は屋根の施工の様子です。

屋根は一般的なスレート瓦(カラーベスト)とは異なり、軽量の瓦を使用しています。

重量自体さほどカラーベストと変わらないので、地震荷重自体は同じですが、この材自体の強度はかなり高いです。

特に断面二次モーメントが大きく作られていますので、風圧荷重に強く、これまで台風が直撃してもこちらの屋根材が損傷したことはありません。

メンテナンス性も良く、カラーベストの倍の期間はメンテナンスがフリーになります。

 

 

こちらは壁紙施工の様子です。

壁紙施工は1週間~1週間半にわたって行われます。

まずパテ打ちといって、下地である石膏ボードの平滑を出すための処理を行います。

まずは大きな隙間を荒いパテで埋め、その後細かいパテで仕上げを行います。

それぞれ塗って乾かして、削り取る作業があるため、パテ打ちには非常に多くの時間を要します。

 

パテ打ちが終わるといよいよ壁紙を貼る作業となります。

 

 

表紙でもお見せしましたが、こちらの写真が壁紙に糊をつけている様子です。

糊は澱粉系の糊ですので、幼稚園や小学校で使った白いねばねばしたものとほぼ同じです。

これを手で塗っていくと労力を要するだけでなく均一に濡れませんので、下の図の様に機械で塗っていきます。

あらかじめ長さを入力しておくことで自動的にその長さ分塗ってくれる優れものです。

 

 

こちらが今回の最後の写真です。

こちらの部屋もこれから壁紙を貼るところですね。

壁には壁紙材料が立てかけられています。

何本かロールが置いてありますが、皆さん壁紙の貼り分けを10~20か所程度はされるので、このように種類も増えていきます。

弊社では特に貼り分け種類の上限値は設けていませんが、常識的な範囲での貼り分けをお願いしています。

 

 

以上で、S様邸の内部施工2回目のレポートを終えたいと思います。

 

S様邸の気密測定の結果は、C = 0.2 ㎠ / ㎡でした。かなり高い気密性が達成できました。

S様は性能を中心に家探しをされてきました。

ご主人様も奥様も共に性能に対しての勉強を良くされていて、弊社の性能をお選びいただきました。

窓一つ一つから壁紙一つまで真剣に選定され、土地や外構屋さんもご自身で探され、非常に行動力のある家づくりであったように思います。

かなり短い期間で多くのことを決めて頂いたように思いますが、ご夫婦の意見を短期間でまとめて下さいました。

弊社では高性能の住宅をお求めの方が多くご来店頂きますが、ご主人様と奥様の性能に対する熱量が異なることも少なくないです。

ご夫婦の価値観が一致している結果、こうした短期間での意見の集約が実現した様に思います。

 

これからも弊社の暖かい家で、ご家族皆で健康にお過ごし頂けたら幸いです。

 

以上で、S様邸の現場レポートを終えたいと思います。

次回は大和市T様邸の建築現場レポートをお送りしたいと思います。

最後までご覧いただき大変ありがとうございました。