ベスト・プランニングの衛藤です。
今年は春先から雨天が多いように感じています。
今年の夏は非常に暑いと予想されていますので、エアコンの効きについては注意を払っていきたいと思います。
OBの方々におかれましては、間取りによって(特に吹き抜けがない場合)、暑さを感じることがあるかもしれません。
断熱性は屋根、壁ともに高いため、サーキュレーターで空気を拡散していけば多くの場合解決する可能性が高いです。
サーキュレーター位置でお悩みの方や冷房1台増設をお考えで、位置を決め兼ねている方などはご相談下さい。
今回は引き続きS様邸の上棟についてレポートを進めていきたいと思います。
2020.9.7 撮影
上棟の日は朝7時半ごろに大工さんと現場監督とクレーン屋さん、私が集合しました。
前日までに1階の資材搬入と足場の設置は完了しています。
少し天候は悪いですが、安全上の問題がない限り、上棟作業は実施します。
木材が雨を受けてしまいますので、上棟後はしっかり乾かす必要があります。
大工さんは集合後、本日の作業について段取りを相談をします。
8時頃になりましたら作業が開始されました。
まず材料を所定の位置に配り、柱を立て始めます。
柱はほぞ穴とほぞで結合され立てていきます。柱が受け持つ荷重は上下の軸力で、圧縮の軸力がメインです。
ほぞ穴に建てただけでは柱はふらふらした状態で、梁を設置することで構造として箱型になるため安定します。
水平方向荷重は筋交いや体力面材が主に受け持ちますので、柱には引張荷重が取れるように金物を後ほど取り付けていきます。
あらかた柱を立て終わったら、次に梁を設置していきます。
基本的には外周部にある胴差と呼ばれる梁を先に施工します。
このようにすることで、構造全体が安定し、大工さんたちが梁に登っても揺れにくく安全性が増します。
写真ではS様邸の中でも特に大きな梁を掛ける際の様子が写っています。
クレーンで持ち上げ、設置位置まで持ってきた後、ゆっくり落としながら梁のほぞ穴と柱のほぞを組み合わせていきます。
このようにして1階の柱と梁を組み上げること1時間ちょっと、1階の軸組が終わりました。
この状態だと柱の鉛直が取れていないので、次に軸組を鉛直・水平にする作業です。
写真の様に「下げ振り」という計測機器と「屋起こし」という突っ張り棒で鉛直を見ながら傾きを微調整していきます。
微調整が済んだ部分には仮筋交いという部材で仮固定を行っていきます。
1階の鉛直を見ている間は、2階の準備が進んでいきます。
まず、梁同士を結合するための金物を取り付けていきます。
また、梁と梁の間に入る小梁をも設置していきます。
あらかた組み終わると、写真の様な碁盤の目になり、この梁組みの上に28mmの厚い合板を敷くことで、固い剛床としています。
2階を剛床とすることで、地震荷重によるねじり荷重に良く耐えることができます。
1階同様に2階も柱を立て、梁を掛けていきます。
写真では俗に「八戒」と呼ばれる梁を保持する道具で梁を支えてる様子を撮影しています。
2階の梁が設置され、だんだん家らしくなってきました。
この後、屋根を支えるための小屋組みを組んでいきます。
小屋組みは小屋束という柱のような部材を建てて、その小屋束に母屋と呼ばれる水平部材を設置していきます。
写真に写っている部材は母屋の中でも最も頂点にある棟木という部材となります。
真っすぐに綺麗に伸びている様子が分かります。
弊社の木材はこうした構造材だけでなく、下地材に至るまで反りの少ない高品質な材木を使っています。
理由は、反りの少ない部材を使うことで家全体の寿命が延びるからです。
最初から反っている部材はゆくゆくその反りが大きくなり、例えばそれが内壁下地であれば内装材に影響を及ぼします。
弊社は少なくとも100年持つ家として作っていますので、基礎となる木材に気を遣っています。
母屋を設置した後は、屋根の荷重を最初に受ける垂木という母屋に直行した部材を設置し、最後に屋根の下地である野地板を設置します。
写真は野地板を釘で締結している様子が写っています。
すっかり雨も止んで良い天気となりました。16時半ごろにはここまで作業が完了し、上棟作業は完了となります。
以上で今回のS様邸の上棟のレポートを終えたいと思います。
次回は内部施工の1回目のレポートをお送りいたします。