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建築現場レポート

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完成

大和市I様邸 完成

ベスト・プランニングの衛藤です。

 

本日は大和市I様邸の最終回、完成の様子をお伝えしたいと思います。

 

 

2021.3.19 撮影

I様邸はまず玄関からご紹介していく事としましょう。

玄関は最近では比較的広めにとり、R部の下がり壁の奥には土間シューズクロークを設置致しました。

 

シューズクローク部は特に建具やロールスクリーン等はないですが、このように写真の様にさほど奥は気にならないですね。

入口がさほど広くないことと、シューズクローク部の照明を消しておくことで、視線が向き辛くなっています。

(気になる場合は建具などで視線を遮ることも悪くはないです)

 

 

多くの靴や遊び道具はシューズクロークに入りますので、入口に見えるシューズクロークは最低限のカウンター型としています。

その結果、玄関がかなりすっきり見えていることが分かります。

廊下から奥側も少し見えることで、奥行きを感じ、広く見える効果もあります。

 

 

次はリビングです。

リビングはフローリングにラシッサD耐水フロアを使用して、壁紙を白くすることで、かなりシンプルな雰囲気となりました。

奥のテレビ部分のアクセントカラーやサッシ色・窓枠色などのアクセントカラーが映えるデザインとなっています。

畳コーナーはお子様が小さいときにはプレイルームとして使用することが多いですが、そのような使い方は僅か数年で、用途が変わった後にどのように使うことができるかがポイントです。

このような間取りではキッチンから畳コーナーの視線は一部見えませんが、導線上も邪魔にならず、お客様が1晩だけ泊まる事も可能です。

普段はくつろぎのスペースとして畳で寝転がることや、畳の框部分に腰を掛けてテレビを見たり談笑することも可能です。

畳コーナーの下方には収納も設けていますので、あまり使わない物などはこちらにしまっておくこともできます。

 

 

リビングに配された窓は幅256タイプの開口の大きな樹脂窓です。

十分に明るい日が入る様に多くの窓が配置されていますが、家全体の窓数は工夫されていますので、準防火地域でも十分な断熱性を確保できています。

 

 

テレビボード部分にはアクセントで色を壁紙の色を変え、テレビ設置位置には壁掛けテレビ用の金具を取り付けました。

こうした金具はお客様に手配頂き、弊社で取り付け工事を行います。

事前に導入予定の金具をお伺いし、それに合わせて下地を設置しておきます。

どのようなものを選んでよいかわからなければ私の方でご案内することも可能です。

家電量販店で購入するものはかなり高価(2万~3万円)ですが、Amazonでは1万円前後で入手が可能です。

強度と機能が確保できれば、裏側はほとんど見えませんので、意匠性はあまり気にならないです。

 

I様邸ではこの他にも床下エアコンやテレビボードも設置を行いました。

このあたりの造作については価格と見栄えのバランスがありますので、イメージをお伝え頂いて、ご提案することもしばしばです。

 

 

1階リビングには吹き抜けが設けられています。

採光の補助と空気の循環を良くすることが目的です。

2階建ての住宅に1か所吹き抜けを設けるだけで、1階~2階間の空気の流れは大きな流路が階段と吹き抜けと2つできます。

この2経路がそれぞれ暖かい空気を上に運ぶ役割と冷たい空気を下におろす役割を担うので、対流が積極的に起こり、家中の温度ムラを激減させることができます。

勿論高性能住宅で実施しないと、コールドドラフトによって18℃程度の冷たい風が吹き下ろすことになり、ひどいことになります。

 

 

こちらは廊下部分設けられたクローゼットです。

ウォークスルークローゼットですが、開放感が高いタイプになります。

奥は脱衣室になっていますので、ここまで入ってくる方はかなり身近な人になります。

ですのでこうした開放的な収納で構わないと考えます。

開放的な収納は空気が動きますので、保管するものの状態が悪くなり辛いというメリットがあります。

(昔の押し入れは空気が滞留してカビがはえがちですよね)

 

 

こちらは脱衣室です。

室内干しができる様に物干しも取り付けられました。

室内干しや洗濯機による乾燥が終わった後は、右の家事用の机で畳んでしまうことができます。

左に見えるのはスロップシンクで、汚れたものを一度軽く洗い流すことができます。

元気なお子様がいる家には非常に便利で長く使える物になります。

球技をして服が泥だらけになると一度洗い流す必要がありますが、その度に洗面所やお風呂に行く必要がなく、まずはこちらにぽさっとおいて後でまとめて泥を落として洗濯機に放り込めばよいわけです。

 

 

次は洗面所です。洗面所用収納と組み合わせたものをご採用頂きました。

右の空いたスペースには可動棚を設けています。この場合見せる収納となりますが、可動棚を設けることで収納の自由度も上がります。

 

 

次は浴室です。こちらはシステムバスアライズ(LIXIL)です。

1面アクセントパネルとして比較的シンプルなデザインとしています。

浴槽の曲線が特徴的ですね。

 

 

こちらは1階のお手洗いです。

一般的なトイレより少しだけ幅を広く取り、専用手洗いを設けました。

便器はサティスSというタンクレスの物を採用頂きました。室内がすっきりまとまっていますね。

 

 

次は2階に参りましょう。

2階上がってすぐはトイレと廊下を配し、その奥にはフリースペースが設置されています。

2階に上がり切った部分からは吹き抜けとそこに配置された窓から光が1階と2階に差し込みます。

視線が抜けているので広さを感じることもでき、加えて吹抜けは室内の空調を助け、温度をムラを激減させることができます。

(勿論、丁寧に設計された高気密・高断熱が条件です。考えなしに吹き抜け+窓はコールドドラフトや日射を取得しすぎる原因となります。)

 

 

こちらは2階のフリースペースになります。

机を設け、仕事や勉強などが行えるスペースになっています。

壁には棚もつけておきましたので、本棚や見せる収納などとして活用することができます。

 

2階の夏場用エアコンは窓の上に1点設置しました。

この1点で全てを冷やすことになりますので、遠い部屋は少し効きが悪くなるかもしれませんが、昼間は全室ドアを開放頂ければ、エアコンの能力としては十分冷却が可能です。

夏場の冷却は、エアコンの能力としてはさほど辛くないのですが、対流が起き辛い点に注意が必要です。

暖気を適切にエアコンに戻す意味でも、吹き抜けは大事になってきます。

現在は数値解析シミュレーションを用いて事前に空気の流れを確認できますので、エアコン位置でお悩みの方はご相談ください。

 

 

こちらは2階の居室です。

1面にアクセントカラーを設置し、無垢の床材(杉)を貼りました。

それぞれの扉はラシッサ(LIXIL)の深い色でそろえられています。

壁と床の柔らかい色に扉の濃い色がアクセントになっていますね。

 

 

こちらは広いウォークインクローゼットです。

ウォークインクローゼットをご希望の方は多いです。

それなりの広さを確保するためにはそれなりの住宅の規模が必要です。

また、効率的に収納空間として使用する場合は、どの壁面も収納と使用できるよう工夫しなくてはなりません。

2か所扉を設けて回遊できるようにすることも稀にありますが、収納力を考慮した場合は極力避けたほうが良いです。

 

 

こちらは子供部屋です。

シンプルな間取りに十分なだけの収納を確保しています。

弊社の家づくりは100年もつように作っています。

お子さんが実家にいる時間は大学卒業を長く見積もって25年間としても、その後に長く使用することができます。

間取りを考える際には家族が巣立った後のことも考えておく必要があります。

こうしたシンプルで必要十分な間取りは私自身とても有効ではないかと考えます。

 

 

それでは最後に外観をお見せいたしましょう。

四角く安定した家の形とパワーボードらしいデザインが良いですね。

外壁色は明るくても、堅牢な雰囲気があります。

こうした矩形(四角)の家は容易に耐震性を高められるだけでなく、建設コストが抑えられ他の部分に予算を充当できるなどメリットが大きいです。

勿論地型が良くないとできないことですが、可能な限りこのようにしたいものですね。

 

 

以上で横浜市I様邸の建築現場レポートを終えたいと思います。

 

ちなみに気密測定結果ですが、C値 = 0.2 ㎠ / ㎡ でした。

かなりの高気密ですね。このレベルであれば換気計画もばっちり狙った通りと思います。

 

I様はお父様が最初に弊社を見つけて頂きました。

I様ご夫婦にも展示場見学や現場見学で大変気に入って頂き、計画を進めることとなったことを覚えております。

住宅についての知識も豊富で、現場を見て頂く際も細部まで見てコメントを頂いたことを思い出します。

家づくりは最終的に人の手で行われて、細部はそうした人の手によるものに大きい事をよくご存じであると思いました。

 

また、建築計画中は奥様のセンスが光るご選択が多くございました。

どの案件もさほど悩むことなくずばっとご選択頂くのですが、造り上げてみると全体的に釣り合いが非常に良く取れていて、造作なども必要十分な量をご依頼頂いているように思います。

住宅設備も費用をかけるところ、抑えるところがはっきりしており、自分が家を建てる場合もこのような決断ができればいいなと感じています。

 

今でもお父様が時々造作をしたり手を加えて頂いているようで、今後も大切に家をお使いいただき、暖かいご自宅で幸せにお過ごし頂く事をお祈りして本レポートを終えたいと思います。

私衛藤のほうでは、次回は横浜市S様邸の建築現場レポートをお送り致します。

 

最後までお読みいただき大変ありがとうございました。