ベスト・プランニングの衛藤です。
前回の建築現場レポート冒頭でインスタグラムに取り組んでいる旨を記載させて頂きましたが、多くのOBの方々に見て頂いて大変ありがとうございました。
現在は家づくりに大切なTipsを配信していますが、その中でこれまでの建築の写真を使わせて頂いております。
私の撮影スキルが無さ過ぎて、インスタ映えする写真を撮ることは難しいのですが、性能はどのご自宅も非常に高く作っていますので、その点を多くの人に知って頂けたらと思い励んでおります。
さて、本日は大和市I様邸の3回目のレポート、内部施工をお伝えしたいと思います。
今回TOP写真は弊社専属の大工さんです。
2020.12.21 撮影
まず上棟が終わってすぐは、大工さんは雨仕舞のことを考えます。
なので真っ先にベランダがある場合には真っ先にベランダを作成し、防水工事を実施します。
その後家の中に入る雨水を極力防ぐために、外周部に貼る耐力面材を施工していきます。
耐力面材は地震荷重に耐える部材で、筋交いと同じようにせん断荷重を上階から下階に伝える部材です。
I様邸では耐力面材にモイスという材料を採用しました。
モイスは透湿性、調湿性、耐力全てに優れた建材です。デメリットは価格の高さと施工性の悪さです。
そこで弊社では地震荷重の大きい1階にモイスを、2階には耐力と透湿性の良い材料を使用しますが、I様邸ではご希望で1階2階共にモイスを使用しました。
外周部の筋交いは面材を貼る前に既に施工され、防蟻処理剤が塗布されました。
弊社では黒い墨できた天然素材由来の防蟻処理剤を使用しています。
シロアリには聞きますが、人間には害の無いよう、こうした材料を使っています。
撮影した日は大工さんが内部の造作工事を行っておりました。
外周部の造作や下がり壁など、下地を着々と作成していきます。
1階リビングには施工場所を設置して、精度の出る設置型の電動丸鋸で作業を行っています。
基礎の外周部の断熱は床下地を作る前に設置作業を行います。
外壁部と事なり基礎はコンクリート造りなので、気密性の確保の必要がないので発泡断熱材では固形の断熱材を使用します。
気密性が取れない、透湿性がほとんど無いというデメリットがある反面、発泡断熱材と比べて単位厚さ当たりの断熱性が高いことがメリットです。
大工さんの施工が1階で進む一方、2階では屋根にルーフスペーサーが取り付けられました。
この部材は屋根の野地板(合板)と断熱材の間に隙間を作る部材です。
野地板は透湿性が無いため、屋根の屋内と屋外の湿気のやり取りがありません。
そのため、この部材を使って断熱材との間に隙間を作ることで、軒裏から棟まで空気が流れるようにしておくことで、空気の流れを確保し、余計な湿気を排出することができます。
家の老朽化の始まりの一つは屋根の劣化ですので、こうした工夫をしておくことで劣化を抑えることができます。
2020.12.25 撮影
この日は2階の施工に移行していました。施工基地は2階に移動していますね。
細かい部材を沢山切断していますので、恐らく細かい造作を行っているものと思われます。
サッシ廻りには気密性を取るための断熱材の充填が行われました。
開口部廻りは気密性にとって弱点になるため、このように細かい配慮がなされています。
2021.1.7 撮影
いよいよ年が明けました。
年明け最初の施工は電気配線でした。
外周部の電気配線は断熱材で埋もれてしまいますので、先に電気配線を実施しておく必要があります。
電気線はそのまま吹き付けてしまいますが、線によっては写真の様にCD管という管に入れて設置を行います。
このころには天井下地も綺麗に出来上がっています。
こうした下地は大工さんの腕の差が大きく出るところになります。
丁寧な大工さん程、こうした下地が整然と並び、美しく仕上げていることが分かります。
仕上げを綺麗に行うために一番大事なことが、下地作りであることを理解しているからです。
仕上げでごまかせると考えてしまうと、時間がたった後にそのボロがでてしまい、内装の劣化が早まる原因になります。
勿論大工さんも生業であり仕事ですから、その対価と与えられた期間が十分でないと、テキトウに実施してしまうでしょう。
同様に間柱と筋交いの様子も撮影してみました。
間柱は構造耐力上主要構造部材ではないのですが、こういった施工も手を抜かずに行っています。
材料も反りが少ない間柱を使い、経年劣化によるへたりや捩じりが少ない様に注意を払っています。
少し値段の高い材料を使用してでも、家は長く使うものですから、ちゃんとしたもので丁寧に施工しなくてはならないと考えております。
2021.1.9 撮影
この日は断熱施工を行いました。
断熱施工は吹き付け専門の業者さんにお願いして、2日間で実施して頂いています。
このような大きな装置を積んだ車の上で、発泡剤を混合して現場に直接吹き付けます。
吹き付ける際は発砲材が体についたり吸い込まない様に防護服を着て作業を実施します。
朝からほとんど休憩なしで夕方まで一気に吹き上げます。作業される方はすごい体力ですね。
1階は吹き付けが終わりましたのでお邪魔して覗いてみました。
壁いっぱいに断熱材が吹き付けられていますね。
壁面より手前に出てきてしまった断熱材は壁(石膏ボード)貼れなくなってしまいますので、少しもったいないですが削り落としてもらっています。
似たような写真をもう一枚。
コンセント周りにはぎっしり断熱材が埋まっている様子が分かります。
右下には木の下地も見えますね。木のある部分は断熱材が吹き付けられませんが、木も断熱効果の高い建材の一つですので、大きな影響はありません。
こちらは窓周りの断熱材の様子です。
窓周りは方立、まぐさといった窓の下地材が多く存在しますので、その隙間を発泡断熱材で埋めることになります。
写真の通りぎっしり埋められている様子が分かりますね。
以上で大和市I様邸内部施工の1回目と断熱施工の様子についてのレポートを終えたいと思います。
今回も最後までご覧頂きありがとうございました。