ベスト・プランニングの衛藤です。
今回はいよいよN様邸の最終回、完成した建物の様子をお伝えしていきたいと思います。
N様邸は、明るい木目を基調としながら、グレーや濃い色の壁紙をアクセントとして使用した、温かさと落ち着きのある内装に仕上がりました。
収納や家事動線にも工夫が多く、個性的でありながら、日々の生活では使いやすい間取りとなっています。

2022.03.27 撮影
まずはLDKから見ていきたいと思います。
リビング、ダイニング、キッチンを一続きとし、正面には階段、上部には吹抜けを設けた開放的な空間となりました。
床や階段、建具、窓枠などは明るい木目で統一され、壁や天井を白色でまとめることにより、室内全体が柔らかく明るい雰囲気となっています。
写真奥のキッチンまで視線が通るため、実際の床面積以上に奥行きを感じられますね。
吹抜けから入る光も1階まで届き、時間帯によって室内の明るさや表情が変化するLDKになっています。

次は、ダイニングコーナーです。
壁に沿ってL字型の長いカウンターを設け、食事だけでなく、パソコン作業やお子様の勉強、書類整理などにも使えるようにしました。
正面に窓を設けていますので、外を見ながら作業ができ、日中は自然光も取り込むことができます。
右上には造作の収納棚を設けています。頻繁に使用する書類や本、小物などを手の届きやすい位置にまとめておけるため、カウンターを広く使いやすくなります。
造作カウンターは、既製品では合わせにくい壁の長さや部屋の形状に合わせて製作できることが大きな利点ですね。

次はキッチンです。
キッチン背面には長いカウンターと引き出し収納を設け、その上部にも吊戸棚を取り付けました。
家電や食器、食品などは種類や使用頻度によって収納場所を分ける必要がありますので、キッチンでは収納量だけでなく、取り出しやすさも重要になります。
写真奥には玄関へと続く動線も見えています。キッチンから玄関までの距離が短いため、購入した食品や日用品を片付けやすい間取りとなっています。
木目と白いカウンター、グレーの壁紙がよく合い、機能的でありながら優しい雰囲気のキッチンに仕上がりました。

次はリビングのテレビ設置部分です。
中央の壁にはグレーのアクセントクロスを採用し、周囲の白い壁と明るい床の中で、リビングの中心となる壁面をはっきりと見せています。
壁の下部にはテレビや周辺機器に使用するためのコンセントを設けました。
この壁の特徴は、左右のどちらからも裏側へ回り込め、その背面を収納として利用しています。
テレビ周りのデザインと収納を一体として計画した、N様邸らしい特徴的な空間ですね。

こちらが、先ほどのテレビ壁の背面に設けた収納です。
両側の壁に可動棚を設け、中央を通路として使用できる形になっています。
可動棚は収納する物に合わせて高さを変更できるため、小さな日用品から高さのある物まで無駄なく収納できます。
この収納は別の部屋へ移動するための通路ではありませんが、テレビ壁の左右から出入りできるため、一方から入り、反対側へ抜けることができます。
リビングから収納内部が直接見えにくく、生活用品をまとめてしまっておけるため、LDKをすっきりと保ちやすい構成です。
収納は面積を広く取ることだけでなく、普段の動線上に配置することが、使いやすさにつながりますね。
(建築面積が増えてしまうことがデメリットですが、可能ならやってみたい間取りです。)

次は2階から見た吹抜けです。
木製の縦格子手すりによって安全性を確保しながら、1階と2階の間で視線や光が通るようにしています。
壁で完全に塞がないことで、2階ホールにも明るさが届き、上下階のつながりを感じられる空間となりました。
天井には室内物干し用の金物を取り付けています。
吹抜け付近に洗濯物を干し、近くにある2階のウォークスルークローゼットへ片付けることができるため、「干す」と「しまう」の移動距離を短くしています。
室内干しを行う場合には、換気やエアコン、除湿機などを併用し、湿気が一か所に滞留しないようにすることも大切です。

こちらは、2階に設けたウォークスルークローゼットです。
両側にはハンガーパイプと棚を設け、衣類を掛ける収納と、畳んで置く収納を組み合わせています。
廊下から内部へ入り、再び廊下へ戻ることのできる回遊動線となっているため、行き止まりの収納と比べて出入りがしやすくなっています。
先ほどの室内物干しからも近いため、乾いた衣類をそのままクローゼットへ移動できます。
洗濯物を持って家の中を何度も往復する必要がなく、毎日の家事負担を減らすことのできる間取りですね。

次は居室の収納です。
収納内部を中央の壁で分け、左側にはハンガーパイプ、右側には中段と枕棚を設けています。
衣類を掛ける場所と、布団や箱などを置く場所を分けることで、それぞれの収納物に適した使い方ができます。
収納の建具には3連引き戸を採用しています。
開き戸のように扉を開くためのスペースを室内側に確保する必要がないため、収納の前にも家具を配置しやすくなります。
居室を広く使うためには、収納量だけでなく、扉の開き方も重要な要素となります。

次はお手洗いです。
便器とは別に手洗い器を設置し、手洗い器の下部は収納として使用できるようになっています。
背面側にはグレーのアクセントクロスを採用し、床には木目を斜めに組み合わせたヘリンボーン柄をお選びいただきました。
比較的小さな空間ですが、床と壁の一部に特徴を持たせることで、印象に残る内装となっています。
手洗い器を別に設ける場合は、便器だけの空間と比べて必要な幅が増えますので、出入りや立ち座りのしやすさを確認しながら配置する必要があります。

次は、固定階段で上がる小屋裏収納です。
屋根の形状に合わせて天井が低くなる部分はありますが、奥行きがあり、広い床面を確保することができました。
小屋裏は収納を主な目的とした空間ですが、N様からは、ここでボードゲームを楽しみたいというお話もいただいていました。
天井高さには制限がありますが、床に座って過ごす用途とは相性がよく、少し隠れ家のような楽しい空間になりそうです。
小屋裏は居室とは異なる扱いになりますので、計画時には天井高さや面積、利用方法などを確認する必要があります。

最後は書斎です。
窓に向かって長いカウンターを設け、仕事や読書に集中できる空間としました。
壁の一面には濃い色のアクセントクロスを採用し、他の部屋とは少し雰囲気を変えています。
右側の大きな本棚は、建物の寸法に合わせて手作りした造作収納です。
本は数が増えるとかなりの重量になりますので、本棚は棚板の厚さや幅、支持する位置を考えながら製作する必要があります。
造作とすることで、天井付近まで無駄なく収納に使用でき、書斎の雰囲気に合わせた唯一無二の本棚となりました。

以上で、N様邸最終回の完成レポートを終えたいと思います。
N様邸の気密測定の結果は、C値=0.2㎠/㎡でした。
N様は弊社にご見学にお越しになった後、土地をご自身でお探しになり、その土地の仲介をベスト・プランニングでお手伝いさせて頂いて計画がスタートしたと記憶しております。
お仕事がお忙しい中でも、ご夫婦で相談するための時間を作って頂き、お打合せのたびにご希望やお考えを丁寧にお伝え頂いたことを覚えています。
テレビ壁の背面を利用した収納や、吹抜けの物干しスペースと2階のウォークスルークローゼットをつなぐ家事動線、小屋裏のボードゲームスペースなど、N様邸には他のお住まいにはない工夫が数多くあります。
個性的な部分が多い一方で、日々の移動や収納、家事のしやすさがよく考えられており、N様ご夫婦が何度も話し合って下さったからこそ、楽しく使いやすい間取りになったのだと思います。
また、いつも私たちに丁寧に接して頂き、ご質問や確認にもすぐにご対応頂いたため、お打合せから建築工事まで、とてもスムーズに進めることができました。
長い時間をかけて考えた住まいが完成し、その家づくりに土地探しの段階から関わらせて頂けたことを、非常に嬉しく思っています。
これからもこのご自宅で、ご夫婦らしい暮らしを楽しみながら、末永く快適にお過ごしいただけることを願っています。
最後までご覧いただき、大変ありがとうございました。
次回は横浜市M様邸のレポートを行います。