神奈川で快適をデザインする工務店、ベスト・プランニングの衛藤です。
6月から7月にかけて多くのお客様にご来店頂き、大変ありがとうございました。綾瀬市の現場には多くのお客様をご案内でき、見て頂けて嬉しいです。引き続き現場見学会は実施中ですので、お気軽にお越しください。土日はお打ち合わせやご案内で混みあっておりますので、事前にご予約を頂けますと幸いです。
イラン情勢の件では多くのお客様にご心配をお掛け致しました。皆さまご存知の通り、断熱材やシンナーなどの石油製品が非常に入手しづらく、住宅設備も受注をストップしていたりも致しました。この結果、仕様変更などの可能性が高い状態が続いております。今月に入り、少しずつ入手が可能になって参りましたが、塩ビ管などまだいくつか入手が難しいものがある状態なので、現状を注視しながら進めて参ります。今のところ日程は予定通り進んでおりますが、これから弊社で建築をご検討のお客様におかれましては、個々のご事情に配慮して進めて参りますので、ご来店時にご相談頂けたらと思います。
さて、今回は引き続きN様邸の内部施工の様子についてレポートしていきたいと思います。

2021.12.24 撮影
ベスト・プランニングでは、防蟻処理に炭系の自然素材由来の防蟻材を使用しています。
一般的な薬剤による防蟻処理と比べ、人体への影響を少なくしながら、シロアリ対策を行うことを目的としています。
木造住宅では、土台や柱の下部、筋交いの下部など、地面に近い部分ほどシロアリ被害のリスクが高くなります。
そのため、完成後に隠れてしまうこの段階で、柱や間柱の下部にしっかりと防蟻材を塗布していきます。
写真を見ると、柱一本一本に対して丁寧に塗られていることが分かります。
防蟻処理は完成後に見えるものではありませんが、木造住宅を長く維持していく上では非常に大切な工程です。
次は室内造作の様子です。

上棟後は、外周部の雨仕舞や構造金物の施工を進めながら、内部では大工さんが下地を作っていきます。
写真では、柱、梁、筋交い、間柱などが見えています。
筋交いは地震や風による水平力に抵抗するための構造部材で、柱と梁だけでは変形しやすい壁面を三角形に固める役割があります。
一方で、間柱は構造耐力上の主要な部材ではありませんが、石膏ボードを張るための下地として非常に重要です。
間柱の通りが悪いと、後から張る石膏ボードやクロスの仕上がりにも影響します。
また、建具枠や収納、スイッチ、コンセントなども、こうした下地を基準に取り付けられていきます。
完成後の使いやすさや仕上がりのきれいさは、この段階の大工さんの施工精度に大きく左右されます。
次はウォークスルークローゼット部分です。

N様邸ではウォークスルーのクローゼットを1階と2階に設置致しました。
ウォークスルークローゼットは、収納でありながら通路としても使う空間です。
通常のクローゼットであれば、収納量を中心に考えればよいのですが、ウォークスルークローゼットの場合は、人が通る幅、収納の奥行き、棚板やハンガーパイプの位置、建具との干渉などを同時に考える必要があります。
写真の段階では、まだ石膏ボードが張られていないため、柱や間柱、梁の位置がよく分かります。
この後、必要な箇所に下地を入れながら、棚やパイプを固定できるようにしていきます。
収納内部は、完成してから「ここに棚を付けたい」「ここにパイプを増やしたい」となることも多い部分です。
そのため、あらかじめ下地の位置を意識して施工しておくことが大切です。
また、ウォークスルー型の収納は、空気がこもりにくいというメリットもあります。
収納は湿気がたまりやすい場所ですので、動線と換気の両面から考えても、使いやすい計画になりやすいと思います。
次は屋根部分のルーフスペーサーです。

写真に見えている白い部材が、ルーフスペーサーです。
弊社では、屋根断熱の際に不織布で作られたルーフスペーサーを使用しています。
この部材は、屋根の野地板と断熱材の間に空間を作るためのものです。
屋根面に断熱材を吹き付ける場合、何も考えずに野地板へ直接断熱材を密着させてしまうと、野地板の裏側に湿気がこもりやすくなります。
野地板は屋根材を支える大切な下地ですが、湿気による劣化を受けやすい部分でもあります。
そこで、ルーフスペーサーによって野地板と断熱材の間に通気層を作ります。
軒先から入った空気が屋根の上部へ流れることで、野地板の裏側にたまる湿気を排出しやすくなります。
断熱性能を高めることはもちろん大切ですが、木造住宅では同時に湿気をどう逃がすかも非常に重要です。
断熱材を厚く入れるだけではなく、通気層を確保することで、屋根下地の耐久性を長く保つことができます。
次は電気配線工事の様子です。

2022.1.6 撮影
内部の下地工事が進むと、電気屋さんによる配線工事も行われます。
写真では、柱や梁の間を通る電気配線が確認できます。
照明、スイッチ、コンセント、換気設備、給湯器リモコン、インターホン、LAN配線など、住宅の中には多くの配線が通っています。
外周部の配線は、この後に吹付断熱材で覆われてしまいます。
そのため、断熱施工の前に、スイッチやコンセントの位置、照明計画、換気設備の位置などを決めておく必要があります。
また、高気密・高断熱住宅では、配線の施工も性能に関わる部分です。
外壁まわりや天井まわりに無理な穴あけをしてしまうと、気密性や断熱材の施工に影響が出る場合があります。
構造材を大きく欠き込まないこと、断熱材の施工を妨げないこと、完成後に使いやすい位置に器具が付くこと。
電気配線は一見すると設備工事のように見えますが、実際には構造、大工工事、断熱施工とも密接に関わっています。
最後は天井下地とルーフスペーサーの様子です。

写真では、天井下地が整然と組まれている様子が分かります。
天井下地は、最終的に石膏ボードを張るための下地になります。
完成後の天井は平らな一枚の面に見えますが、その裏側には、梁、野縁、電気配線、換気ダクト、断熱材、屋根通気など、さまざまな要素が納まっています。
写真上部には、先ほどご説明したルーフスペーサーも見えています。
こうした下地の丁寧さは、完成後のクロスの仕上がりや、長い年月が経った後の内装の状態にも影響してきます。
今回の内部施工では、防蟻処理、室内造作、収納下地、ルーフスペーサー、電気配線、天井下地と、完成後には見えなくなる大切な工程が多く進んでいました。
住宅は設備やデザインに目が行きがちですが、実際にはこうした下地や見えない部分の施工が、長く快適に暮らせる家を支えています。

以上でN様邸内部施工1回目のレポートを終えたいと思います。
次回は断熱施工と内部施工2回目のレポートをお届けいたします。