神奈川で快適をデザインする工務店、ベスト・プランニングの衛藤です。
1月は多くの方にご見学頂き大変ありがとうございました。
土地の価格、建物の価格上昇が続き、お問い合わせも多くなっております。
それぞれ皆様ご事情が異なりますので、詳しいご相談は直接お越し頂いたほうがご相談やアドバイスがしやすいですね。特に価格についてはそれぞれの会社さんで何をどこまで含んでいるかはまちまちですので、直接ご相談されることをお勧めします。
さて、今回はH様邸の大工さんによる内部施工の現場の様子をレポートしていきます。
H様邸は、入口(玄関ポーチ)に大きなRコーナー壁を設け、さらに大きな吹抜けを持つ、空間構成に特徴のある住まいです。
内部施工では、こうした設計意図を正確に形にするため、下地段階から高い施工精度が求められます。

2021.11.26 撮影
こちらは防蟻処理を行っている様子です。
土台や柱脚まわりは、シロアリや腐朽の影響を最も受けやすい部分です。土台は防蟻処理不要な米ヒバを使用していますが、柱はアカマツやカラマツが主ですので、防蟻処理を行います。
写真の様に天然素材由来の炭系防蟻材を使用することで、人体への影響が無い様にしています。
構造材を長く健全に保つことは、耐震性能を維持するうえでも重要なポイントとなります。

浴室まわりは、基礎断熱材(基礎内断熱)の納まりがとても重要なポイントになります。こちらの現場では、断熱材にカネライトフォームを採用しています。この断熱材は吸水しにくく、圧縮に強いため、床下環境に近い基礎まわりでも性能が安定しやすいのが特長です。
基礎断熱で大切なのは、とにかく断熱ラインを途切れさせないことです。特に浴室は給排水・追い焚き・点検口などで配管が集中するため、断熱材を欠き取る場面が多くなります。ここで断熱が切れると、コンクリートが外気温を室内側へ伝える熱橋(ヒートブリッジ)となり、床付近の冷えや、条件によっては結露リスクが上がります。
また、断熱材は“貼って終わり”ではなく、気密もセットで考えます。カネライトフォーム同士の継ぎ目(目地)や、配管貫通部は隙間が出やすいので、気密材で処理して空気が回り込まない状態をつくります。
こうした“見えなくなる部分”を丁寧に整えることで、浴室の快適性はもちろん、住宅全体の断熱・気密の完成度も一段上がっていきます。

外周部には耐力面材が施工され、建物の「強さ」が目に見えて分かる段階になってきました。面材は、柱と梁だけで支える“線”の耐震ではなく、壁全体で力を受ける“面”の耐震をつくる重要なパーツです。
開口(窓やドア)まわりは応力が集中しやすいので、面材の割付を考えながら、規定通りの留め付けで壁倍率が発揮できる状態にしていきます。使用している部材はタイガーハイパーEXという耐力面材で、こちらは耐震性と透湿性を兼ねそろえた建材になっています。

そして今回の住宅の見どころのひとつ、玄関ポーチの「大きなRコーナー壁」です。直線の壁と違い、曲面は下地づくりがそのまま仕上がりの美しさに直結します。
R壁は曲げ合板や曲げ下地を使う場合でも、無理に曲げると歪みや割れの原因になりますので、曲率に合わせた材料選定と、力がかかるポイントの補強が肝になります。後工程に進んだ際に「Rが綺麗に見える」「コーナーが割れにくい」ための準備を、この段階でしっかり仕込んでいます。

小屋裏(屋根)側では、ルーフスペーサー(通気確保材)が見えています。これは、断熱材を入れたときに屋根の通気層が潰れないようにするための部材で、結露対策の重要ポイントです。
屋根は外気温の影響を強く受け、冬は冷え、夏は熱くなります。そのため、室内側の湿気が上がっていったときに、通気層が確保されているかどうかで“乾きやすさ”が大きく変わります。軒先から棟へ空気が流れる道を途切れさせないことが、長期的な耐久性(野地板や垂木の健全性)につながります。

そしてこの家のもう一つの特徴が「大きな吹抜け」です。吹抜けは開放感が魅力ですが、そのぶん施工は“段取りと安全性”が命です。
写真のように、吹抜け部分には仮設の足場板(作業床)を設置して、上部の施工を進められるようにしています。作業床があることで、天井下地や高所の配線・設備工事を安全に、かつ精度よく行えます。ここで大切なのは、足場板の固定方法(ズレ・跳ね上がり防止)と、作業順序です。先に高所側の下地・納まりを決めておくことで、後から手戻りが出にくく、仕上がりのラインも綺麗に揃います。

室内側は、いよいよ“造作”が進む段階に入りました。写真では天井や壁の下地(胴縁・下地材)が細かく組まれており、仕上げのための精度づくりをしている最中です。
大工さんの腕がよいので、どの下地材も非常にまっすぐ通っていることが見て取れますね。石膏ボードを貼ると全く見えなくなってしまいますが、こうした下地材の精度が後々の仕上がり、経年劣化に大きく寄与します。

以上で、海老名市H様邸の内部施工1回目のレポートを終えます。
次回は、断熱施工及び内部施工2回目のレポートをお伝え致します。