神奈川で快適をデザインする工務店、ベスト・プランニングの衛藤です。
夏から年末に向けて、着々と工事とお引渡しが進んでいます。
このレポートも相当に遅れてきましたが、素敵なご自宅が沢山あるので、少しずつでも紹介をしていきたいと思います。
さて、今回はY様邸の断熱施工と内部施工の2回目をレポート致します。

2021.9.30 撮影
天井・壁には現場発泡ウレタンフォームを吹き付けていきます。
隙間なく密着するため、気密性の確保と断熱ラインの連続性に優れ、熱橋(ヒートブリッジ)のリスクを大きく低減できる工法です。
この日は丁度施工中の現場に行けましたので、その様子を撮影しています。
吹付けは2液式のウレタンフォームで吹付けますが、広い面積を吹くので、このようにトラックに積んだドラム缶から混ぜて吹付けを行っています。

こちらは滅多に見れない吹付け直後の様子です。
不要な部分は内壁や天井を作る際に邪魔になるため、全てカットしていきます。
養生はしてあるので室内は汚さないのですが、カットした後はおびただしい量の断熱材のゴミが出ていますね。

2021.10.12 撮影
断熱施工後、フロア合板を張っている様子です。
今回の現場では、フローリングを定尺張りで施工しています。
定尺張りは、一枚一枚が決まった長さの材料を使い、継ぎ目(ジョイント)を一定のリズムで揃えながら張り進めていく方法です。
室内のラインが美しく出るため、空間の広がりや落ち着いた印象をつくりやすいのが特徴です。
フローリング材の側面には、凹凸形状の「さね」が付けられており、ここを専用釘で固定します。
さね同士がしっかり噛み合うことで、板の反りや浮きの防止や床鳴りの抑制の効果が得られます。
また、張り付けの際は、板を軽く叩きながら微調整し、隙間を作らずに敷き詰めることが非常に重要です。
見えない部分の丁寧さが、仕上がった後の質感・耐久性を大きく左右します。
大工さんの腕の見せ所ですね。

3階の子育て世帯エリアでは、足音の軽減を目的に防音材を敷き込んでからフローリングを施工しています。
ここで使用しているのは、床衝撃音を吸収する専用の防音ALCパネルです。
防音パネルは、床面に伝わる「ドスン」という重量衝撃音を和らげる効果があり、特に小さなお子様の生活音が気になる二世帯住宅には有効な手段です。
パネルを敷いた後はその上にフローリング材を順に張り重ねていきますが、パネル同士の継ぎ目には段差が出ないよう慎重に調整し、仕上げのフローリングがフラットに納まるよう施工することが重要です。
こうした見えない部分の積み重ねが、上階・下階どちらにとっても快適な住環境につながります。

1階の音楽室では、一般的な住宅とは異なる仕様を採用しました。
まずこの部屋では少し床の高さを下げ、天井高さを上げています。
そのため、床は束で支えられたパーティクルボード下地の上に床を貼り付ける工法で行いました。
将来的に床下に入れない(メンテナンスができない)ことがデメリットですが、このように少し床を下げることもできます。

壁の中には防音材・吸音材を組み合わせ、透過損失を上げる構造としています。
特に、音楽教室のように「外へ音を漏らさない」「部屋内での響きを整える」両立が求められる空間では、
・密度の高い遮音シート
・グラスウール/ロックウール吸音材
・壁の二重張り
といった多層構造が有効です。
ここではふかした壁内部にアクリア系の高性能吸音材を充填しています。
このようにすることで外に向かって透過した音を、熱エネルギーに変えて低減することができます。

2021.11.28 撮影
大工さんの仕事も終わり、キッチンが取り付いた後、壁紙施工に入ります。
こちらはクロスを貼る前に行うパテ処理の工程です。
パテ処理は下地を平滑に整えるための大切な作業で、仕上がりの品質を大きく左右します。
壁紙業者さんは 2工程で行っています。
1工程目は石膏ボードの継ぎ目やビスの頭を中心にパテを入れて、段差をなくします。
場所によってはファイバーテープやコーナー材で押さえ込み、パテを形作りやすいようにします。
2工程目は下塗りが乾いた後、もう一度パテを重ねて面を整えます。
それぞれの工程ではやすりで擦らなくてはならないので、結構な重労働です。
しかしパテが上手い職人さんは壁紙の仕上げもとても良いです。

こちらの部屋ではクロス貼りが始まり、室内が一気に明るくなりました。
白系のクロスは光の反射率が高いため、断熱性と合わせて室内の体感温度向上にも寄与します。
まだ、住設機器や建具の搬入を控えているため、床養生はそのままに壁紙を仕上げていきます。
この部屋は壁紙の材料の置き場にしている部屋の様ですね。

最後は造作の本棚(壁面収納)です。
お施主さんのこだわりのオプションになります。棚の”目地”が一直線に通るよう、大工が慎重に加工・組立てをしています。
造作家具は既製品に比べ、
・寸法の自由度
・空間へのフィット感
・素材統一による意匠性
が圧倒的に優れます。(お値段は既製品より高めになります。)
本邸では現場監督さんが作り上げた本棚を現地で組み上げ、最後に塗装を行って完成させることとしました。
本棚に配線が組み込まれているのが分かりますが、このようなことは造作でないと難しいですね。

以上で、Y様邸の内部施工2回目のレポートを終えたいと思います。
次回はいよいよ完成の様子をお伝え致します。