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内部施工

伊勢原市O様邸 内部施工1 

ベスト・プランニングの衛藤です。

 

ウッドショックの影響は去年末から徐々に改善されておりましたが、ついに木材価格も底を打ち始めました。

一部土台木材等は値上がりも始まっており、その他住宅設備を中心に値上がりが続いているため、建築をご検討の方は少しでも早くご検討頂くことをお勧め致します。

 

さて、今回は厚木市O様邸の内部施工1回目のレポートをお送り致します。

 

 

2021.3.27 撮影

 

上棟が終わった翌日からは雨仕舞について作業を実施していきます。

ベランダがある場合はベランダを、O様邸の様に無い場合は構造躯体の金物をあらかた設置した後に耐力面材を貼っていきます。

耐力面材は弊社では1階にモイスを使用し、2階にはハイベストウッドを使用しました。

 

写真ではモイスと防蟻処理について撮影してあります。

防蟻処理はシロアリが侵入しても躯体を食べることがないようにするための大切な処理です。

弊社では天然素材の炭の防蟻処理剤を使って人体に害の無いようにしています。

 

 

耐力面材は素材の選択肢がいくつかある部材です。

モイスは非常に硬く、重たい建材です。耐震性に優れており調湿性が高いですが、一方で施工性が非常に悪いです。

同様に硬い面材にハイベストウッドという商品がありますが、躯体内の湿気を外に放出しやすくするためにモイスを使用しています。

一方でハイベストウッドはモイスより透湿性が高い建材で、水回りの多い1階にモイスを、2階にハイベストウッドを使用することをお勧めしています。

(現在は2階の標準仕様はタイガーEXハイパーです)

 

 

次は床組みです。

床は1階を根太工法、2階を剛床工法で作っています。

1階は床下地の合板に空気が通りやすくし、耐久性を向上させるために根太工法としています。

一方で2階は地震に耐える水平構面耐力を向上させるために、厚い28mmの合板を用いて剛床としています。

2階は細かく梁が入っているため、床の荷重も十分受け持つことができます。

写真は整然と根太が並んでいる様子が見て取れます。

弊社の大工さんはこうした下地も手を抜かないで、丁寧に施工してくださいます。

 

 

こちらは玄関部分の庇となっている部分の構造です。

玄関の庇は経年劣化の激しい構造の一つです。

一つ一つの部材が丁寧に作られている様子が見て取れます。

この部分は屋根材で仕上げることになります。

庇は様々なものがありますが、意匠的にも耐久性としてもこのように屋根と同じように作ったほうが良いと考えます。

 

 

次は2階の構造です。

O様邸では4寸の構造材をお選び頂きましたので、柱も梁の幅も全て4寸です。

天井の下地となる野縁も組まれていますね。

どの部分も整然と作られていて、大工さんのこだわりを感じますね。

 

 

次も2階の構造です。

4寸の構造は材積(材料の体積)も大きく、このように写真を撮ると、画面いっぱいに木材が見えます。

筋交いの量も一般的な住宅に比べ多いことも特徴の一つです。

 

 

次は屋根のルーフスペーサーです。

写真に見えている白い部材がルーフスペーサーで、この部材により野地板と断熱材の間に隙間を作ることができます。

軒天から取り入れた空気は、軒まで上がって排出される間に、野地の裏を乾かし、余計な湿気を排出することができます。

このようにしておくことで屋根の下地の健康を長期間にわたって保つことができます。

 

 

次は内部施工ではないですが、撮影した屋根の施工です。

弊社では屋根材は軽量の瓦材を使用しています。

瓦材は一般的なスレート材と比べて耐久性や耐風性に優れます。

メンテナンスも20年~25年に1度塗り替えを行えばよいので、費用も抑えることができます。

瓦材は一般的に重たいため、地震荷重などの慣性力による荷重を増やしてしまうのですが、こちらは軽量瓦であるため、地震力の増加の心配もありません。

 

 

2021.4.10 撮影

この日は断熱材の施工が終わりました。

弊社では断熱材には現場発泡の吹付ウレタン材を使用しています。

断熱性だけでなく気密性も確保することができます。

一般的な住宅と異なり、壁にも屋根にも一杯に断熱材が吹き付けられている様子が分かりますね。

断熱性と透湿性の綿密な計算によって断熱材の厚さを決めています。

 

断熱材施工後は電気配線を含め外周部は全て埋まってしまいますので、その前に電気配線等を決めてしまう必要があります。

 

 

2021.4.12 撮影

O様邸ではオプションとして界壁の防音・吸音材を一部の部屋に適用しました、

写真に見えているのはDAIKEN製の吸音ウールです。

音を防ぐ方法は、遮音・吸音とあり、それぞれに役割がことなりますので材料を組み合わせて防音性を高める必要があります。

吸音は細かい穴に音の波エネルギーを通して、振動として摩擦力で熱に変える仕組みで音が低減します。

 

 

2021.4.16 撮影

更にこの吸音マットの上には遮音マットと遮音パネルを設置しました。

これらはゴムのような若干重たい素材でできており、音を反射することができます。

部屋の内側に設置はされていますが、もちろん外部からやってくる音も反射することができます。

防音にはこうした吸音と遮音のバランスが大切です。

 

 

オプションの防音の写真をお見せしたところでO様邸の内部施工1回目のレポートを終えます。

 

次回は続きの内部施工2回目のレポートをお届けいたします。