ベスト・プランニングの衛藤です。
お盆休暇明けの今回は伊勢原市O様邸のレポートを始めたいと思います。
O様は伊勢原市に土地を購入され、住宅を注文いただきました。
いくつもの工務店を回られ、弊社をお選びいただいたお客様です。
今回は基礎と上棟の前半をレポートしていきたいと思います。
2021/2/16 撮影
O様邸の基礎工事の開始は遣り方から始まりました。
遣り方は建築物を立てる位置とその基準を示す作業です。
写真の通り手前側は道路面に対して少し地盤が上がっていますから、周囲の基準を示すための水抜き板も高い位置にありますね。
地盤面は初期の地盤面から下げないほうが望ましいです。
理由は、①残土が処理費が抑えられること
②水害時に浸水に対して有利であること
③排水時の勾配が取りやすい
などが挙げられますが、一方でどこかで高さを上げるための階段やスロープが必要になることには注意しなくてはなりません。
2021/2/19 撮影
次は根切という作業になります。
基礎は地中に掘り込んで設置されている部分(主に外周部や地中梁部)がありますが、この部分を施工するために掘り込む作業です。
それ以外の部分は水平にならして砕石を引いていきます。
写真のような大きくはないパワーショベルを使って工事を進めていきます。
2021/3/1 撮影
根切して砕石を引き、防湿シートを引いた後は、床下エアコンをご採用頂いたので、断熱材を基礎下に敷き込みます。
これは地中からの熱影響を下げるためです。
地中は比較的温度が安定ではあるものの、表層から1m付近ではまだまだ地表面の熱影響を受けてしまいます。
そこで、写真の様に配筋前に丁寧に断熱材を敷き込みます。
写真は配筋検査の様子です。配筋を行った後は検査機関による配筋の検査を受ける必要があります。
施工者、現場監理者もチェックを行いますが、更に検査機関も検査をするので、漏れがない施工ができます。
検査では主に配筋のかぶり厚さや重ね接手部の長さ、端部のフックが適切かどうかなどが図面通り施工されているか確認します。
2021/3/16 撮影
上記の写真の後、コンクリートの打ち込みを2日に分けて行い、更に土間部のコンクリートを打ち込みました。
基礎が完成した後は、大工さんによって土台が敷かれ、1階の材料を搬入した後、仮設足場が設置されました。
(残念ながら写真が残っておりませんのでしたので、この作業の様子は割愛させて頂きます)
その後いよいよ上棟の日を迎えました。
早朝から大工さんが伊勢原市の現場に集合しました。
棟梁以外の大工さんはこの上棟のために集まりました。
通常はそれぞれが棟梁としての建築現場を持っている大工さんです。
最近は建築費削減のために上棟作業専用の作業者により施工する会社も多いです。
この方法も合理的ではありますが、上棟は骨格を造り上げる重要な作業です。
その後の工程にも責任を持つ大工さん自身が施工した方が、品質が上がることは間違いないです。
朝8時頃に作業が開始されました。
まずは柱を立てていく作業です。
それぞれの柱には設置位置が記載されていて、その通りに柱を立てていきます。
柱にはほぞというでっぱりが加工されていて、土台はほぞ穴というほぞを受ける引っ込みが加工されています。
ほぞをほぞ穴に入れることで、柱が固定されるわけですが、この状態ではまだがっちり固定されている状態ではありません。
柱を立てた後は、梁を設置していきます。
まずは外周部の胴差と呼ばれる梁を設置してきます。
外周部を先に固めておくことで構造全体が安定しますから、梁に登ってその他の梁を設置しやすくなります。
梁側にもほぞ穴が加工されていて、写真では大工さんがほぞ穴にちゃんとはいっているか確認しながら、クレーン車によって梁を下げている様子が写っています。
梁をあらかた設置し終えたら、「建て入れ」と呼ばれる鉛直を整える作業となります。
まず柱の鉛直を見るために「下げ振り」という道具を使って鉛直度合いを確認します。
更に「屋起こし」という道具で柱と梁を押して鉛直を整えていきます。
写真では柱に下げ振りが設置され、右下から左上に向かって屋起こしで突っ張っている様子が撮影されています。
この作業を東西 南北といくつかの通りで実施して、都度仮筋交いという部材で固定して本作業はおしまいです。
大梁や小梁の設置が終わった後は、金物を設置していきます。
金物は梁同士を締結し、強固にする役割で設置されます。
それぞれの部材に羽子板ボルトを取り付けていきますので、かなりの本数を設置していくことなります。
まず予め開けられた穴に金物を設置し、その後ナットと座金で次々と締め付けていきます。
梁と柱の金物の締結が終わった後は、床の下地となる合板を設置していきます。
弊社では通常より厚い28mmの合板を標準仕様としています。
このように厚い合板を使用することで、地震などの水平力に対して高い強度を得ることができます。
強い地震力が作用した場合、その水平力が作用する重心と荷重を受ける家の剛心が異なるため、家には捩じれの荷重が作用します。
この捩じれに対して強い抵抗力得て、更にその荷重を下層の筋交いや耐力面材に分配する機能がこの合板にはあります。
さて、今回は伊勢原市のO様邸初回のレポートとして、基礎と上棟の1回目のレポートをさせて頂きました。
今回はここで終わらせて頂き、次回は上棟時の2階より上の部分のレポートを行いたいと思います。
次回もお楽しみに。