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建築現場レポート

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上棟

大和市T様邸 上棟

ベスト・プランニングの衛藤です。

4月になってすぐにGWの時期となりました。

4月は多くの方にご来店頂き大変ありがとうございました。

今月はお引渡しが続き、メールへのご返信が遅くなり申し訳ございません。

 

家づくりについて沢山勉強されてからご来店される方が増えてきたように思います。

家づくりは一人一人のお住まいに答えがあるもので、価値観が皆さま一様でない様に絶対的な正解はないと考えます。

弊社ではベストと弊社が考えるご提案をし、論理的な説明を心掛けておりますが、あくまで一つの答えなのでそれぞれのお客様の想いをぶつけて頂けたらと思います。

 

さて今回は大和市T様邸の上棟の様子をレポートしていきたいと思います。

 

 

2021.2.22 撮影

この日も早朝から大工さんは大和市の建築地に集合しました。

上棟は大工さんたちも朝早くから現場に向かう日です。

7時過ぎには集合し、事前に道具の準備や図面を読み込みイレギュラーな対応が必要な部位について相談をしています。

特にレッカーが使えない場所で荷揚げ屋さんと全て手で組み上げなくてはなりませんので、事前の打ち合わせが重要です。

 

 

材料はすでに大体の位置に配り終わっているので、まずは柱から設置を行っていきます。

柱は土台に加工されたほぞ穴に、柱側のほぞを差し込んでいくことで設置されます。

これだけですと柱はふらふらしていますので、梁を設置することでかなり構造が安定します。

 

 

こちらは1階胴差です。

外周部をぐるりと回すように設置される、桁や梁のような機能を持っている部材が胴差です。

構造を安定させてたり、中央部の梁を掛ける作業手順上、まずこの胴差を設置していきます。

梁せいがあるため、皆で持ち上げて柱とのほぞ穴を慎重に合わせて、大工さんが叩き込んできます。

 

 

こちらは最も大きな梁だったと記憶しています。

柱が少なく、空間が飛んでいる部分については、柱のせいが高くなりがちです。

当然梁の重量も重くなっていきますので、怪我をしない様に慎重に設置を行っていきます。

 

 

こうした中央部の梁や小梁が設置された後は、家のゆがみを直していくために「建て入れ」を行っていきます。

ほぞなどの仕口同士で結合されているだけでは、まだ固定がされていません。

そこで固定する前に鉛直等を確認して、仮筋交い等で固定を行っていきます。

写真では一人の大工さんが鉛直を確認し、もう一人の大工さんが突っ張り棒(屋起こしと言います)で柱と梁を押している様子が分かりますね。

こうした作業を丁寧に行うと、家のゆがみが極力減り、家の耐久性を上げることに繋がります。

機械化が進んでプレカット技術も向上してきましたが、最後は人の手で丁寧に作る、これに尽きます。

 

 

大梁も小梁も設置が完了した後は、金物で締結していく作業です。

2階に登った大工さんは手分けして一斉に金物を設置して締め上げていきます。

写真の様に細かく梁が入っているので、2階では厚い合板による剛床構造を選択しています。

(1階は根太工法で床合板に極力空気を通し、乾燥状態を保つ構造としています)

 

 

2階の金物を締結した後は床下地となる合板を設置し、その後1階と同様に柱を設置していきます。

写真は整然と並んだ柱を撮影してみました。

大工さんが大きな梁を持ち上げようと準備をしていますね。

 

 

二階の梁も人の手で持ち上げます。

1つの支点に大工さん2人が持ち上げていますね。

かなりの重そうです。更に同時にそれぞれのほぞ穴に差し込んでいかなくてはなりません。

この辺の位置のコントロールは上の足場の大工さんがやっているようです。

 

 

1階と同様に2階の梁を組み上げた後は、屋根を保持する小屋組みを行います。

小屋組みはまず柱に相当する小屋束という部材を立てていきます。

屋根の勾配に従って、家の内部に向かって短い束から長い束になっていきます。

 

 

小屋束の後は、小屋束同士を結ぶ母屋(もや)を掛けていきます。

梁と同じような働きの部材ですね。

家の頂点に掛ける部材のことを棟木と言って、この棟木を上げるので上棟というわけですね。

 

 

今回は短冊金具という金具を撮影してみました。

長い梁部材と梁部材を継ぐためには、仕口という凹凸で継ぐのですが、これを補強するために使う金物です。

基本的に部材同士の引張を補強しています。写真の金物は厚さt=0.6mm,幅60mm,材料許容値400N/㎟許容荷重12kNかと思います。

実際の強度は

P=0.6×60×400=14.4kNなので、20%程度安全余裕を見た設計の様です。

 

 

母屋を掛けた後は、屋根の荷重を直接受ける垂木を設置していきます。

綺麗に垂木が並んだ様子を小屋裏側から撮影してみました。

対称性が美しいですね。青い空に構造が映えています。

 

 

最後に屋根を取り付けるための野地板を設置していきます。

野地板は垂木と多くの釘で設置していきます。

写真では半分の野地板を設置した様子が写っています。よく見るとまだ釘が密には打たれていませんので仮置きですね。

 

 

野地板を出したところで終了です。

大工さんたちは道具を片付けて撤収です!

T様邸では上棟式を行いました。大工さんとお施主さんでお酒とお塩、米で家の四方を清めました。

弊社の棟梁と記念撮影をしてみました。私のレポートがどんどん溜まっていてしまって、2年も経過してしまったので、すっかり大きくなったことでしょう。

 

 

以上で、T様邸の上棟のレポートを終えたいと思います。

 

次回は内部施工の1回目のレポートを行いたいと思います。